伝わらない想い?‡お兄ちゃんの、温もりが伝わってきた。「なぁ〜んだ、隣の女の子が彼女だったんだ…」女子高生が言った。するとお兄ちゃんは言った。
「なぁ、周りから見ればカップルに見えるんだな。」
「うん…、そうみたい。」私は、照れ隠しに鼻をすすった。電車から降りると、学校からは歩きだ。私とお兄ちゃんは、列んで歩いた。
でも、それでもさびしい。だって、お兄ちゃんは妹としか見てくれない…
それに、お兄ちゃんには…
彼女がいる…
正直、すごく辛い。お兄ちゃんを、自分だけの物にしたいと思う時がある。
私は、制服の袖口をギュ、と掴んだ。
と、その時だった。「青時君!」
彼女の、水島 美香さんがお兄ちゃんを呼んだ。
「早く行こうよ!」美香さんは、お兄ちゃんの腕を掴んだ。やめて。
お兄ちゃんに触らないで。
近ずかないで。
お兄ちゃんは、私に一言いって、美香さんに連れられて言ってしまった。
「瑠璃!先、行ってるぞ!」
私は、手を振って見送った。
やっぱり、お兄ちゃんは私の物にはならないんだ。
その日、改めて実感した…。