万年床に胡座をかきながら、叶わない夢をみる。
目を閉じ、湿気まみれのこの部屋で、何度も。
時計の音は、かつて希望を刻んでいたが、今ではただの、「焦り」にしかならない。
せっかくの休みも、テレビを無表情で眺めながら、なんとか未来の自分を輝かせる為夢想する。
「ハヤクハヤクナニカシナイト、ナニカトハ?ナニガデキル?アアモウダメダ」
「いや出来る、自分にしか出来ない事があるはず、必ず」
高校出て十年、夢想するフリーターは必死に考える。
何が出来るか、何がしたいか、何になりたいか。
「嗚呼、もうわかんねぇ。風呂入ろ」 カシャンッ
躓いた目覚まし時計の針は、もう一時間も動いていた。
終わり