一時間

にしむら珈琲  2008-07-02投稿
閲覧数[472] 良い投票[0] 悪い投票[0]

万年床に胡座をかきながら、叶わない夢をみる。
目を閉じ、湿気まみれのこの部屋で、何度も。

時計の音は、かつて希望を刻んでいたが、今ではただの、「焦り」にしかならない。

せっかくの休みも、テレビを無表情で眺めながら、なんとか未来の自分を輝かせる為夢想する。


「ハヤクハヤクナニカシナイト、ナニカトハ?ナニガデキル?アアモウダメダ」

「いや出来る、自分にしか出来ない事があるはず、必ず」


高校出て十年、夢想するフリーターは必死に考える。
何が出来るか、何がしたいか、何になりたいか。



「嗚呼、もうわかんねぇ。風呂入ろ」 カシャンッ




躓いた目覚まし時計の針は、もう一時間も動いていた。

終わり



投票

良い投票 悪い投票

感想投稿



感想


「 にしむら珈琲 」さんの小説

もっと見る

ノンジャンルの新着小説

もっと見る

[PR]
ネ申盛れるカラコン
激安1日98円


▲ページトップ