真司は喫煙場所を探した。ホームの奥にそれが確認できた。早朝のせいか、慌ただしい光景には見えない。 喫煙場所に向かった、まだ覚めきれない目の中に自販機が跳び込んできた。
『目覚めのコーヒー!』と一人ごとを呟きながら購入した。
喫煙場所に着くと早朝のせいなのか一人も中にはいない。
独占気分でタバコに火を着けコーヒーを一口飲んだ、とその時
「ジリリーン・ジリリーン・ジリリーン・・・」
『何の音だ!』わずか一、二秒の間に真司は目でそれを探し当てた。
『バックから聞こえる!』恐る恐るバックを開くと、東山可奈から与えられた携帯だった。
『電源は切ってあったのに?』と不思議に思いながら電話に出た。
『もしもし?』しかし音が鳴りやまない。
携帯の画面を見るとアラームと表示されていた。時刻6時45分。真司は切るボタンを押し寝坊でもしないようにと東山可奈が目覚ましにしておいたのた゛ろうと考えた。
タバコを消して、さらにもう一本すいなおすことにした。
『電源はどうしたらいいんだろう?』と迷っていた。
その時、静かな川の水の音のような着信音が鳴り非通知が表示された。