次々と再生していく魔物はセツナの体力と精神力を蝕んでいった。
「負け、られない」
精霊を操るには精神力を必要とする。セツナの精神力はもうほとんどのこされてはいなかった。
戦い続けてかなりの時間が経った。村に魔物を行かせるわけにはいかない。その気持ちだけでセツナは堪え抜いてきた。
「はぁ、はぁ」
目の前がぼやけてきた。魔物のようかいえきがかすって服はボロボロになっていた。
「フリード・・・。」
最後の力をふりしぼって疾風弾を魔物にむけて放った。セツナに近い魔物から、遠い魔物まで全てに疾風弾は突き刺さった。しかし、魔物はさらに再生した。無防備になったセツナに次々に魔物が飛び込んできた。「あ・・・ぁん・・・」
魔物の触手がセツナの体に巻き付いていった。
−−私、死ぬのかな。
かすみゆく意識の中でレーヴェとハルの顔が脳裏に浮かんだ。
瞬間、セツナに絡みついた魔物を雷が貫いた。
「フィアッカ!!」
『分かった』
女性の人型の精霊がセツナを救い出した。綺麗な黄色の髪をしていた。
『レーヴェ!まだ息があるよ!』
「分かった。ちょっと待ってて」
セツナを救いだしたのはレーヴェだった。