思った通り、だ。 毎朝自分を起こしに来る学院の教師の1人の・・・確か名前はアンナだったか・・・が、いつもの様に大声でどなりだした。
「まったくあなたは毎朝毎朝!!今日は珍しく起きてしる気配がすると思ったのに、部屋の真ん中につっ立って!!さぁさぁ、さっさとシーツをなおして下に・・・」アンナの、いつもなら止めても止まらない怒鳴り声がピタリとやんだ。
代わりに彼女が息をのんだのがわかる。
その視線はベッドの上の美少年にそそがれていた。
「オ、・・・オーリュ・ターウォ!!!あなた、規則を破りましたね!!!???」
今頃気づいたのかい!!、という言葉をのみこんで、オーリュは首をふった。
「ち、違うって先生!!俺こいつと初対面・・・」
「初対面の者を連れ込んだのですか!!まぁまぁなんという!!」
「連れ込んでないっっつーの!!!!」
そうだった。
この人に何言っても聞いてもらえた例しがない。
まったく、この年頃のおばさんは・・・。
「しかも異性ならともかく同性なんて!!本当に近ごろの子供は・・・・!!!!」
もうツッコむ気力も失せるおばさん教師の妄想爆裂なお約束解釈を耳にルスーさせ、これからどうしようかと考えだしたオーリュの頭に声が響いた。
(朝っぱらから、うるせぇばばぁ・・・・・・)
「・・・・・・・へ?」
反射的に後ろを振り替えると、金髪少年と目が合った。
ちなみに彼はまだベッドに座っているままである。
まさかな、とオーリュは笑う。
こんな儚げ&超美形の少年が、『ばばぁ』なんて言葉を話すわけがない。
しかし少年はオーリュの予想を裏切り、目が合った瞬間に、ニヤリと笑う。
オーリュはこの時、天使が悪魔にかわった瞬間を目撃した。