君の願い

ふく  2008-07-02投稿
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もしも永遠に君の隣に寄り添っていられたなら
終わりのない始まりを迎える事が出来ていたなら
そしたら私はこんなに涙を流さなくても良かった
笑顔を失う事はなかった
こんなにも胸を苦しめられる事もなかった
君が長い方が似合ってるよと撫でてくれたこの髪を切る事もなかった

捨て切れない指輪
時が経てば痛みも無くなるとそう信じて閉まっていた
右手の薬指にはめてみて涙が流れる
あの頃は輝いていた指輪が少しくすんでいる
私の指に調度良かった指輪が少し緩い
それが悲しくて何だか情けなくて涙が止まらなくなる

君がいないと弱いだけの自分
縋る胸も預ける肩も隣には無くて孤独な自分
たった一度の君からの贈り物で記憶が鮮明に甦る

あの頃は良かった
ただひたすら君を追い掛けて懸命に愛して愛されて
私の人生の中にこんなにも明るい光が広がるのだと産まれてきた事にも生きる事にも沢山の意味を感じた

今は何となく生きて
何となく呼吸をして
何となく言葉を発して
何となく歩いている
誰かの為という訳でもなくただ自分が生きているという事実の為に

思い出を捨て切れないから辛いんじゃない
思い出が多過ぎるから辛い
君への愛が大き過ぎた分苦しみ続けなければいけない
楽になりたくてもなれないから
今は背中に負った過去を
胸に負った傷を懸命に受け止めて泣き続ける毎日

笑う事が出来たなら軽くなる
頑張る事にも疲れたから
これから先
長い人生に身を任せて少しずつ強くなろう
君がいない日々にいつかは慣れて忘れていこう
それが出来たならきっと君が出した答えが見付かるはず
君もそれを望んでいるはず



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