ワーキング・プアからの脱出 40

楽園 海風  2008-07-02投稿
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エフ・オー・エルの丘からの眺望はハワイのそれとは異なり、ヨーロッパの香りがして、プチ・パリと言われている事に納得しました。
ウアントロの丘では、真っ白なアメデ灯台が真っ青に海に浮かぶ島に遠く眺められ、パラグライダーがのんびりと浮かんでいました。
ヌメア博物館でメラネシア人の伝統文化に触れ、どこか懐かしい感覚を覚え、不思議な感じでした。
最後に訪れたのはヌメアの中心街、ココティエ広場でした。ハワイ、グアムとは全く雰囲気が異なり、上品で洗練された大人の雰囲気が漂っていて、ヨーロッパに来ているような錯覚に捕らわれました。ハワイの、ウキウキした高揚感はありませんが、どこか優しく、落ち着いた、懐かしい感じがしました。
翌朝、プラージュ・ロワジールの港から船でメトル島に渡り、憧れの水上バンガローに宿泊しました。
翌朝は船でヌメアに戻り、飛行機でイルデパン島へ行きました。飛行機といっても、50人乗り位の双発のプロペラ機で、搭乗客の9割以上が現地の人で、買い出し等、日常の足に使っていました。
前日のメトル島から、あまり天気は良く無かったのですが、イルデパン島に渡った日に台風が接近、1泊の予定が、ヌメアへの飛行機が欠航して足止めにあいました。
観光する事もできず、ヌメア滞在も1日削られ、土産を買いに行くだけになってしまいました。
こんな目にあえば、印象が悪くなり、二度と行きたく無くなるものですが、翌年の2006年1月、再びニューカレドニアを訪れました。
この時は欲張らず、ヌメアとウヴェア島だけにしました。すると、欲張らない事が天に通じたのか、天気に恵まれ、スコールには遭いましたが、そのおかげで、3日間も虹を見る事ができました。中でも、ヌメアからウヴェア島に渡る離陸時に、上空からヌメアの街に架かる虹は、神秘的で美しく、初めての体験でした。
天国に一番近い島、作家の森村桂さんはウヴェア島をこんなふうに表現しました。随分誇張した表現だなと思っていました。空港から、ホテルから迎えに来ていたパンに乗り込み、南国の林を抜け、海岸線に出た瞬間、私は息を呑みました。純白の砂浜が遥か彼方まで続いて、本当にここは天国ではと思う程の景色が私の眼を貫きました。私は、未だかつて、これほどの衝撃を受ける感動は味わった事が在りませんでした。
つづく



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