精霊はアース人だけの力である。しかし、サルナン人であるレーヴェにも精霊の力があった。何故精霊が使えるのかはレーヴェ本人にも分からなかった。
魔物襲撃から3日が過ぎた。セツナはあれから眠り続けている。心配したレーヴェとハルはセツナが起きるまで側にいることにした。
「セツナさん、起きませんね」
「よっぽど力をつかったのね」
布団で眠るセツナの顔はかわいいとレーヴェは思った。
「セツナの顔をじーっとみちゃってどうしたのかな〜?」
ハルが不気味に笑いながら言った。
「ななっ、なんですか!いきなり」
レーヴェは相当焦っていた。
「ん・・・。」
セツナは目を覚ますと安堵した。まだ生きていた。
魔物との戦いの最後にレーヴェが助けに来てくれた気がする。と思い出しそうになったが、記憶が薄れていた。
−ガチャ
扉が開いた。一人のはずなので、セツナは身構えた。「セツナちゃ〜ん」
聞き覚えのある声、ハルだった。
「ハ・・・ル?」
「ん、そうだけど」
途端、目から涙が溢れてきた。悲しみでなはく、嬉しさからだった。
「ちょっと、どうしたの?私なんかした?」
また会えた嬉しさで胸がいっぱいだったセツナは首を横に振るのが精一杯だった。