ライルは歯を強く噛み締めて、拳で地面を何度も叩いた。
「ライルさん…ご自分を責めないで下され…。破壊されたとはいっても、犠牲者がどれだけいたかは聞いておりません。もしかしたら、その方達は生きておられるかもしれません。希望を捨てんで下さい…」
町長はライルの肩に手を置いて、励ました。
「…」
ライルは無言でゆっくりと立ち上がると、うつ向いたまま町長に背を向けて、立ち去って行った。
「…ライルさん…」
町長はその後ろ姿を、悲しげな表情で見つめていた。
ライルは家に戻ると、ふらふらとキッチンにある椅子に腰を下ろした。
ロイ…―＼r
右手で目を覆いながら、ライルは一つ大きく息を吐いた。
しばらくその状態でじっとしていたが、突然、ライルはテーブルを拳で殴りつけた。
「許さんぞ…」
我が息子、ロイをこのような目に遭わせるなど…許されぬ！―＼r
ライルは怒りの表情で椅子から立ち上がると、奥の部屋へと入って行った。
その部屋の中には、大小様々な剣が立掛けられており、ライルはその中の一つを手に取った。
ロイ…仇は父さんが取る…。だから、心配するな―＼r
ライルは剣を鞘から一気に抜き放つと、闇の輝きを帯びさせて、鋭く振り下ろした。
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