反射的に後ろを振り返ると金髪少年と目が合った。
ちなみに彼はまだベッドに座ったままである。
まさかな、とオーリュは心の中で笑った。
こんな儚げ&超美形な少年が『ばばぁ』なんて言葉を言うはずが・・・。
(言っちゃ悪い?)
「・・・・・・!!」
オーリュは目を見開いた。(何に驚いてるの?・・・君はオーリュだろう?)
自分がオーリュだからどうだというのか。
(あぁ、そうか・・・『まだ』なんだね。)
だから、何がだ。
(『選ばれし者』のくせに、随分と覚醒が遅いなぁ・・・)「・・・っ!!!だから一体なんの・・・・・」
「聞いているのですかオーリュ・ターウォ!!!!」
思ったことが口に出てしまったらしく、まだ勝手な妄想発言をしていたアンナに怒鳴られる。
(あははっ!!!)
頭の中で笑い声が響く。 ムカっ、として金髪少年の顔を見たオーリュは、再び目を見開いた。
少年がニヤリと笑う。
オーリュはこの時、天使が悪魔になった瞬間を目撃した。