「真愛、ほんまに大丈夫か？無理せんでええで。帰るんやったら今のうちやで」
俺は真愛のことを心配して聞いたが、
「もう少し…夏希くんといたい…から…」 と言って聞かなかった。
「何してんねん、はよいくで」
涼平が大きな声で俺達を呼んだ。
「ちぇっ、そんな大声で言わんでも、分かってるがな」
俺は真愛だけに聞こえる様に呟いた。その言い方がよかったのか、真愛は俺に微笑んでくれた。
「無理せんと、しんどなったらいいや」
そう言って俺は真愛の肩を優しく抱いて、涼平達の後を追った。 肩を抱いた時、真愛は一瞬固まり掛けたが、俺だからか安心して身体を預けて、震えも段々なくなってきた。そんな真愛を俺は別人のように思いながら、益々愛しくなっていった。
時々振り返って、俺達がついて来ているかを確認していた涼平達が、立ち止まって俺達が追いつくのを待っていた。
[145] 
[0] 
[0]
