「いっつも勝手に切るんだから!」と不服ながら報酬のためだと電源を切った。
△会社はそこそこ名の通った企業で田村真司は学生時代に札幌で生活していたから直ぐにピン!ときた。
駅から地下鉄駅に向かうと人が少し増えて来たようだが、まだ混雑はしていない。
何年かぶりにアルバイト時代よく寄った「立ち食いそば」を探したが駅ビルが改装されたせいなのかなかなか見つからない。
シャッターが開いた軽食喫茶らしきお店に入り喫煙席に座った。
コーヒーとトーストを注文し、タバコに火を付けた真司は「不思議だなァ。」と思い帰した。
「昨日ある会社と聞いた時俺は場所を知知らない。でも初めて札幌に来て朝いきなりそこに行けって言われても地下鉄すら迷うだろう?もしかして!」
真司は新たな疑問と想像を巡らした。
「俺んとこだけのチラシ!携帯電話の番号!監視されてるようなタイミングの電話!札幌に住んでたから土地勘もある!なにより前金もってトンズラする度胸がない。成功報酬は欲しいに決まってる!・・」
届けられたコーヒーを飲みながら閃きがおきた。
「わかったぞ!最初から俺だったんだ!」