グリッサンド国メシア、噂通りの大きな街で祭りでもやっているような賑やかさだ。
「着いたー!」
ニコとローはふざけあいながら大きな門をくぐった。
立派な門だなぁ、築何年だ?
そんな事を考えながらなんだかんだウラも楽しそうだ。
その後リアムに連れられウラ達3人はメシアの城に案内された。
その城は中世ヨーロッパの城というより現代的な、どこか高層ビルに似た建物だった。
「3人をお連れしました王様」
リアムに紹介されたのはヘンリー・リー・ルーカス王、白髭の恰幅の良い如何にも王様といった感じの男だ。
「お〜よく参られた!待ちわびましたぞ救世主殿!」
そう言ってニコニコ顔で3人に握手を求めた。
王様との謁見、いや、特に何があるというわけでもない。要するにただの顔見せだ。挨拶の後はすぐにまたリアムに連れられ別の所に案内された。
「こちらですよ。ニコ様、ロー様」
次に紹介されたのは王以上に再開を待ちわびた人物だ。ローはおぼつかない足取りで駆け出した。
「お姉ちゃん!」
ローによく似た、そのまま拡大したような少女はローを強く抱き締めた。
「久しぶりノエル!」
ニコも負けじと抱きつく。
「ロー、ニコ!ほんと久しぶりだね!」
ローの姉でありニコの幼なじみでもあるノエルはどこかおっとりした感じの色白で小柄な少女だった。
3人は楽しそうにしているがウラは明らかに輪に入り込めていない。そしてこの流れでいくと次に出てくる言葉は…
「ねぇ、あの人誰?」
ほらね。
「あ…えぇ…俺は…」
「救世主のウラ!ウラでいいよウラで!」
すかさず勝手に答えられた。まったくいつもいつもおいしいところを持っていきやがる…
自己紹介もほどほどに、仕事に戻ったリアムに代わりノエルが城を案内してくれた。
城の広い廊下を歩いている時だった。ウラはふと外を見るとどこか見覚えのある翼のある何かが見えた。
ん…?今のもしかして…
二度見をしたウラは驚いた。この世界で初めて見る元の世界の機影
「え!?戦闘機!?何で!?」
ウラは戦闘機が降り立ったほうへと駆け出した。