グランの急な反応に、レンは驚いて、尻餅をついてしまった。
「ふん、この程度で尻餅なんかついてる奴が師匠を助けるとか気取ってんじゃねえよ!」
「……」
レンは、言葉が返せなかった。
「何の反応もなしか……もういい、俺1人で行く」
そういうと、グランは飛竜の背中に飛び乗り、砂漠に向けて飛んで行った。
「俺は…俺は……!」
取り残されたレンは、歯を食いしばり、拳を握りしめ、うつむいていた。しばらく、時間がたった。
「…師匠を助けるんだ!」
突然、レンが顔を上げた。レンの瞳に、もう迷いは無かった。
「…俺も、行くぞ!」
レンは、イーナ砂漠に向かう方法で、一番簡単な方法を、村人に聞くことにした。
食堂の向かいにある酒場。普通、ここは夜中に村人達が宴会をやって楽しむ場所。こんな真っ昼間には誰もいないだろうと思っていたが、念のため、入ってみた。
「……やっぱりね」
酒場は、ガランとしていた。辺りを見渡しても、マスターが宴会のためのカクテルを作っているぐらいだ。レンは諦めて店を出ようとして、入って来たドアの方へ振り向いた。
「……あ!」
振り向いた瞬間、レンは驚いた。
「……あらららら」
レンは呆れたような口調で言った。