「…だって、オッサンじゃん」
男のノリを無視して冷静に答えるレン。
「そうじゃな〜〜〜い!!百歩譲って俺がオッサンに見えるのは仕方ないとしよう!百歩譲ってな!だが、俺にはちゃんとロンド・ハイニリアって名前があんだよ!」
ロンドの魂の叫びであった。その証拠に、ロンドは息切れしている。
「はいはい…じゃあロンド、聞きたいんだけど、ここからイーナ砂漠までのルートで、一番早くて簡単な方法って何かな?」
「…何?イーナ砂漠だと?今、イーナ砂漠と言ったか!」
ロンドの態度が変わった。心底驚いている様子だ。
「言ったけど…それが何?」
「…フッハッハッハッハッハッハッハッ!」
「遂に気でも狂ったかオッサ……ロンド」
「…ふっ…良かったな!」
「何がだよ?マジで狂ったのか?」
ロンドがニヤッと笑った。
「俺も……今から砂漠へ向かうところだ」
「…マジ?」
「…マジ…だ」
「………いぃ〜〜〜やぁ〜〜〜!!!」
レンの叫び声が、村中に響いていた。その後、レンがロンドに連行されたのは言うまでもない。
「ひゃっほ〜い!」
「………」
砂漠へと向かう気球の中、はしゃぐAとと隅の方に縮こまるB。
当然、Aがオッサン、ロンドでBが少年、レンである。普通は逆なのだが…。