「ほら!あれがカシオペア座だよ!そのそばにあるのが小熊座!」
「へぇ、早苗は5歳なのにお父さんよりも全然知ってるなぁ・・・」
「本当ねぇ、どこでおぼえたの?」
「本とかで調べたんだ!!私、大きくなったらお星様になりたいの!!」
「うん!」
「現代の医療では・・・」
11歳になった早苗は、6月から病院生活を強いられるようになった。
若年性アルツハイマー
それが、医者から言い渡された彼女の病名だった・・・
早苗の両親は、泣いて医者に頼んだ、だが、どうすることもできない・・・
現代の医療では、回復の見込みがないとされるこの病気と、早苗は、一人で戦っていくしかないのだ・・・病院にいても、悪化する一方であるこの病気は、止めることができない・・・ 早苗は毎日、勉強をしたり、本を読んだりしていた。早苗の病気は、そうやって脳を使わないとどんどん物事を忘れていってしまうのだ・・・
しかし、早苗の努力もむなしく、勉強してきたこと、今まで読んだ本のこと・・・ほぼすべてのことを忘れてしまった。大好きだった星の事も・・・