「…セイル、お前達しか戻ってこれなかったという事は…ロイは…やはり、殺されたのか?」
ライルはやや声を震わせて、沈痛な面持ちで尋ねた。「すまない!兄さん!」
セイルはテーブルに両手をつけて、額をそれにこすりつけるようにして、謝った。
「私がふがいないばかりに、妻や娘達はおろか、ロイ君まで守りきれなかった。本当にすまない、兄さん…」
「ライル、顔を上げるんだ。お前が家族以外の誰かを見捨ててのうのうと生きてるような人間では無いことは、私が良く知っている。そのお前が勝てなかった相手だ、相当の腕前の持ち主だったのだろう」
「…兄さん…」
「ライル、出来れば最初から、今回の事を詳しく話てくれないか?」
ライルは頷くと、襲われた時からこれまでの事を詳しく説明した。
「…ふむ、という事は、そのグラムとサイラスとかいう者達が、お前達をこんな目に遭わせ、ロイを殺したという事か…」
ライルは怒りの表情で、歯を噛み締めた。
「あの、伯父さま、一つよろしいですか?」
ミリスはしきりに首を傾げながら、ライルに声を掛けた。
「実はその…サイラスって奴の使った光のエネルギー波なんですけど、これでロイが死んだとは、どうしても思えないんです」