ある日のこと、あるテレビ局が、
『難病に苦しむ子供達』
というテーマの番組を作ると、早苗の入院している病院に取材に来た。
早苗はテレビ局の人に、いろいろと質問された。そして最後に
「早苗ちゃんは何か言いたいことはあるかな?」
早苗は大きなカメラを向けられて少し頬を赤らめた。
そして、答えた。
「私は、いろんな事を忘れていってしまうけど、お父さんとお母さんのことは絶対に忘れたくないです。」 大量の寄付金が届いた・・・
全国の人々が早苗の映ったテレビを見たのだろう・・・
しかし・・・お金がいくらあろうと、どうにもならないのだ・・・
8月の夜のこと・・・
早苗は死んだ・・・
静かに死んでいった・・・
死ぬ直前・・・早苗は言った
「私、星になるの、空で光ってる、綺麗な星に・・・」
真夏の夜の空には、とてもまぶしい星が、いくつも輝いていた。