ワーキング・プアからの脱出 42

楽園 海風  2008-07-05投稿
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日本から持ち込んだ電子オーディオのボリュームも、いつもの位置では非常に喧しく聞こえ、20%程度絞った位置でちょうど良い音量に聞こえようになりました。都会の喧騒と、パソコン、テレビ等で劣化していた私の視力と聴力は、ウヴェア島の大自然の懐に抱かれて、自然と一体に成る事で、本来の機能に回復したのだと思います。
この日、ウヴェア島の半日観光に参加しました。ホテルのロビーでピックアップを待っている間、ソファーに腰掛けて、入口から吹き込んで来る、心地よい柔らかな風に身を任せて、暫しまどろんでいました。体の中を吹き抜けて行く風は、体の不純物を包み込んで、持ち去って行ってくれるような気がしました。
この島では、時間がゆっくりと流れて行きます。日本で生活している間は、時間に追われ、僅か1分の交通機関の遅れにもイライラするのですが、ここでは時間の事など全く気になりませんでした。
1時間位過ぎたのか、はっきり分かりません、ガイドの男性の出発を告げる声に現実に引き戻されましたが、暫し心地よい時間を楽しみました。
空港に迎えに来たのと同じバンに乗り込み、最初に案内されたのは、ムリ島のムリ村にある小さな教会でした。一般的にはウヴェア島と一絡めにして呼んでいますが、実際にはムリ島、ウヴェア島、ファヤヴァ島の3つの島から成っています。この教会は村の人の憩いの場所ですが、我々旅行者は立入禁止でした。教会内には入れませんでしたが、敷地内には入れ、パステルカラーの可愛い教会が一目で気に入ってしまいました。教会の坂道を下りきった所に、ミニチュアの教会みたいなモニュメントがあり、年号と歴代の神父らしき名前が書き連ねられていました。ガイドの男性に英語で、その事を尋ねると、分からない、との返事でした。ニューカレドニアはフランス統治の島でしたから、フランス語が公用語で、英語は私と同程度で、拙い英語では説明できなかったのかも知れません。
2つ目に立ち寄ったのは、レキンの断崖でした。あまり観光に興味は無く、ただ、のんびりと休養に来ていましたから、事前勉強不足で、ガイドブックを後で確認して知ったのですが、ここはタブーの海で足をつける事も許されない場所でした。しかし、地元の子供が楽しそうに3人水遊びをしていました。子供にとってはタブーなど無いのかも知れません。
つづく



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