夏希くんは、私が作ったお料理を残らず食べてくれた。
「真愛は何をつくらせてもうまいな。こんな美味しい料理、毎日でも食べたいわ」
「昔からこういうの好きだったから…男の人に食べてもらったの初めてよ」
「俺が第一号か。めっちゃ光栄やな。また作ってな」
「私のお料理でよかったら、いつでもどうぞ」
「約束やで」
「うん」
夏希くんにこんなに喜んで貰えるのだったら、もっと早くに作るんだった…
食事の後、私達は付き合い始めてからの話しをしていた。
「涼平と香緒里さんがいなかったら、今年も寂しいクリスマスやったやろな」
「夏希くんは去年まで、クリスマスどうやって過ごしてたの?」 「毎年、あのバーで店長相手にカクテル談義…」
「じゃあ今年は店長寂しいね」
「せやけど俺は真愛と居れて幸せやで」
そう言って私の背中から抱き付いてきた。
「私も夏希と居れて幸せよ」
私はそっと夏希の手を握り締めた。
「でも真愛がこんなに普通に、喋ってくれるなんてあの頃はおもいも寄らんかったで」 「私もまだ夏希くんだけやけど、男の人とこんなに喋れると思わなかったもん」