「それ以来ね、男の人が怖くて怖くて仕方ないの…十年以上たった今でも…男の人の目が怖い…」
身体も震えてきた。夏希くんも泣きながら、私の身体の震えを止めようとする様に、私を抱き締めてくれていた。
「私が男の人と喋らなくなった、色々な噂があって…みんなが好奇の目で私を見るのに…夏希くんだけが違ったの…そんな噂なんかしるかって目をしていた…だから私もあなたが気になったの…」
私はこれ以上話せなかった。
「真愛もうわかった…わかったからもう思い出すのやめよう…人間誰だって人に言えない過去や、思い出したくない事ってある…もうこの話しはやめや…」
それから三十分ぐらい私は泣いていた。そんな私を夏希くんは、ずっと抱き締めていてくれた。
「もう、大丈夫。夏希くんありがとう。一緒に泣いてくれて…」 私は、今までの話しを吹き飛ばすような勢いで立ち上がった。 「コーヒーでも煎れようか？」
私はキッチンに向かいながら、尋ねた。
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