僕は要らない人間だ
僕を必要としない世界が敢然と立ちはだかる
僕自身いらないと思っている
どうだっていい
それだけは自信がある
六十億分の一未満が言う
誰ともぶつかることなく生きている
世の中を滞りなく流れている
いつだって独りを好んでいる
でも
もしも誰かが僕にぶつかってきたら
もしも流れをせき止められたら
もしも僕を独りにさせてくれなかったら
僕を必要とする世界が敢然と立ちはだかる
そんな日がいつか来ることを望んでいる
僕はねがわくば必要とされたい人間だ
それだけは自信がある
六十億分の一以下が言う
こんなことを描いた手紙を
ビンに詰めて海に流した