「こんなとこで人を探す?」信じられないことだと思いながら?番出口を見つけ階段昇った真司は、懐かしい臭いとザワザワとした音、歩く早さの違いが忘れてた都会のイメージを取り戻した。
「このベンチか!」5分早く着いた真司はタバコに火を付け「どんな人が来るんだろう?」と考えながら携帯灰皿を取り出した。
「いい天気ですね」と清掃の女性が、そこに備え付けの灰皿を掃除しだした。 「そうですね!」とだけ真司は答えた。それは東山加奈の指示があったからでは無く、緊張が張り詰めて来ていたからだった。
何処からともなく8時を知らせる時報がなり緊張もピークに達したときだった。
「ハイ、加奈さんから」といきなり清掃の女性が差し出した。
白い角封筒だった。中を確認すると確かに写真が入っていた。
「封筒は加奈さんがくれたエチケット袋に!写真も特徴を覚えたらその袋に入れて8時半に携帯の電源入れて指示を待ちなさい。」 真司には動揺があったが直ぐ事態を理解した。
さらに「その男性はいつも九番の入口から上り?番の乗車口の前列にならぶわ!地下鉄は26分発車よ!以上」