(どうしよ?どうしよう??…)額から汗が出てくる。腕の力を抜いて一心に祈る。
「わが契約の元に…ユータの力を開放する?」
ユータの腕輪が輝きを放つ。「天力開放?一ノ刃」
ユータの刻印が光りを放ち、ユータを包む。
桐生がぎらりと閃くと、ユータはサイクロプスに向かって走りだした。風のように早く。その動きはまるで…「忍者?」ミホシがシンキの剣を切り付けながらえりなを見る。初めての契約をしたのだ無理もない。
「よくやった…」シンキのざんげきをかわして、えりなにかけよる。
ひゅっ…走った勢いのまま高々と跳躍する。「やめろぉ?」リミスの叫びも虚しく、サイクロプスの腕から鮮血が吹き出す。
「あぁ…あぁ…ロザリア…」溢れ出す涙をそっと拭い去る。
「今楽にしてやるからな」桐生を僅かな光りが包む。「真空剣?」振り下ろした桐生から放たれる。凝縮された光りの刃。
無数の風がサイクロプスの両足を吹き飛ばす。
「ロザリア…」左右の腕も無数の切り傷で使い物にならない。
「とどめは…おまえがやるんだ」ユータがリミスに連結棒を渡す。
「僕が?」
「彼女はそれを望んでいる…それと…俺にはやる事があるから…」