ライルはそう言って、一つ小さく息を吐くと、
「明日、私一人でベイスへ向かう！」
と、力を込めて、言った。「え！？」
セイルとサリアは、驚いて、
「兄さん！一人であの二人を相手にするのは危険すぎる！それだけは止めてれ！」
「そうですよ。もしもロイ君が生きていた場合、お義兄さんがいなくてどうするんですか？ここは騎士の皆さんに任せて、待つという事が一番だと、私は思います」
と、反対した。
しかし、ミリスは、
「行きましょう、ベイスへ。私も一緒に連れて行って下さい！」
と、願い出た。
「ミリス、何を言うの！父さんがやられてしまった相手に、あなたが勝てる訳無いでしょう！やめておきなさい！」
エミリアはミリスの願い出に真っ向から反対した。
「私はロイの死体が見つからない限り、死んだとは思えないのよ。ベイスに行くのは、遺体を確認する為に行くだけ。あいつらと戦うつもりは無いわ」
「でもミリス、もしも遺体が見つかって、奴らと会ってしまったら、あなた、自分を抑えられるの！？」
「っ！」
エミリアの鋭い指摘に、ミリスは反論できず、奥歯を噛み締めた。
「…一つ尋ねたいが、もしも生きていたとすると、ロイはどこに連れて行かれるのかね？」
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