ミンナ……。ミンナって一体何だったんだろう。
あの頃の俺は、どうしようもなく半端で悪ガキだった。でも、ある先生に会って俺の生き方が変わった。ミンナっていう意味も教えてもらった。
でも、今では……。
何でだろう思い出せない。ミンナってどんな意味だったんだろう。そう思ったのは、先生が亡くなってから数ヶ月が過ぎたころ、ちょうど雪が降っていた頃だった。
5年前
智明「あぁ〜っ!!何してんだよ、チョッ、止めろよ!!」
南樹「うっせ〜なぁ!!なんなんだよ、お前にはもう関係ないもんだろ。」
先生「こら〜!!何してるの。やめなさい!!」
ゴツっ!!
南樹「イッてぇ。何すんだよ。クソババァ!!」
ゴツっ!!
南樹「イッ……!!また殴りやがってぇ。なんで俺ばっか殴んだよ!!」
先生「アナタが悪いからに決まってるでしょ!!職員室から見えてたわよ!!南樹君が智明君のを勝手に取り挙げて壊してたでしょ」
南樹「チゲェよ!!コイツがもうこんなのイラナイとか言うから俺が取って壊したんだよ。」
智明「なっ!!いらないとは言ったけど、誰も南樹にあげるなんていってないだろ!!勝手に人のを取っただけじゃないか。それに壊すなんて……。」
南樹「おぃ。なんで泣くんだよ。泣き止めよ。俺が悪い事したみたいじゃないかよ。」
先生「悪いことをしたの!!ちゃんと謝りなさい。でないと、また叩くわよ!!」
南樹「うっ……。分かったよ。謝るよ。謝ればいいんだろ。ゴ…、…ン。」
ゴツっ!!
南樹「イッてぇ!!何すんだよ!!ちゃんと謝ったじゃねぇか。」
先生「ふ〜ん。それで謝ったつもり??ちゃんと謝りなさい!!分かってるでしょ。」
南樹「チェッ!!分かったよ。ゴメンナサイ。これでいいんだろ!!」
先生「いい??智明君??」
智明「えっ!!??あっ、うん……。」
先生「よし。じゃあこれで仲直りね。智明君はもう帰っていいわよ。南樹君は来なさい。」
南樹「えっ!!なんでだよ。謝ったじゃねぇか!!なんで俺だ……。」
先生「ゴチャゴチャ言わない!!サッサと来る!!じゃぁねぇ智明君。また明日。」
智明「アッ!!はい、さようなら。」
南樹「なんだよ。あいつだけ……。」