オーリュは顔をゆがめた。そんな彼を見てフィディルも再びあきれた顔をする。「何でそんな顔するのさ。てゆぅか普通話し聞いてる途中で気付かない?君、自分の顔を鏡で見たことあるの?赤いでしょ、瞳が。見事に両方真っ赤っか!!」
「いゃ・・・だから、え?」
俺が・・・?
世界の成立に必要な、『竜王』?
あははー・・・・
「・・・ばか言うな。」
「・・・言ったつもりはないけど。」
フィディルは半眼になってオーリュを見つめた。
「信じないの?」
「信じるわけねぇだろ!!」だいたいなぁ、とオーリュは続ける。
「じゃあもし俺がそんな存在だとしたら?ほら、何で今、世界は成立してるんだよ!!前の6匹目の・・・なんだっけ?『赤眼の竜』?は死んでるんだろ?俺は生まれてこの方何もした覚えはない!!!」
「あぁ、それはたぶん、君の近くに世界を支えている5匹の竜のうち、誰かがすでにいるからだよ。」 「・・・・・はぃ?」
あっさりと答えがかえってきてオーリュは上ずった声をあげた。
・・・・なんだって?