イヌ恋 完

 2008-07-08投稿
閲覧数[177] 良い投票[0] 悪い投票[0]

「無理を言わないで…」

「私、ワガママって言われようとしつこいって嫌われようと構わない。周助さんとならどんなことにも耐えていける。
……ああ〜なんか…月並みな言葉しか出ないや。こういうとき馬鹿だと嫌だ…な…」

周助が抱き締めてきた。

彼は声を殺して泣いていた。

「………周助…さん?」

「俺の…最後のお願い聞いてほしい。」

「最後?」

「俺のそばから離れないでくれ。」

「…どうして最後なの?」

「キミに迷惑ばかりかけたから。これで最後…イテっ」

見ると寝ていたアカネが寝ぼけて脚をジタバタしていた。
周助の手にも当たっていた。

「私たち、これから迷惑かけっぱなしだよ?周助……あなたの背負ってるものも、一緒に背負わせて。一緒に…。」

「アカネ…茜。…大好きだ。」
「私も。周助…大好き。」

二人がキスを交わすと、周助は初めて茜の前で笑顔になった。

もう一度しようとしたが、


ピンポーン!

「あ゛。すっかり忘れてた。」
「私がアカネの飼い主です!ですよね!?」

「うん…!茜ちゃん、よろしく!」

自分たちの言葉遣いが奇妙に感じて、二人は笑った。


「同姓相手で良いか…。」

「お父さんにバレたら大変だよ?」

二人はアカネの飼い主として、一緒に保健所職員のもとへ向かった。


本当に二人が飼い主になったかはアカネだけが知るところである。

i-mobile
i-mobile

投票

良い投票 悪い投票

感想投稿



感想


「 輪 」さんの小説

もっと見る

恋愛の新着小説

もっと見る

[PR]


▲ページトップ