『サトル君!!』
キッチンからその様子に気付いたあたしは、思わず叫んだ。
『おい。大丈夫か?!サトル?!奈央。水持って来い!!』
一番近くにいた聖人が、サトル君の側に駆け寄る。
『サトル!!死んじゃいやあ〜〜!!』
ミズホさんが半ベソをかいている。
『しっ。大丈夫だから。』
聖人はサトル君の背後に回り、様子を伺っている。
『ゲホッ‥ゲホッ‥‥‥み、水‥‥!!』
サトル君が水をくれと聖人に訴える。
『ほらよ、水。全く。驚かせんなよな。』
フーッと聖人が溜め息をついた。
『でもよ、この寿司うめぇよな。』
サトル君のこの一言に、あたし達3人は、あっけにとられてしまった。
『も‥‥う。ビックリさせないでよね。』
ふぅっと涙目になってるミズホさんが、フローリングの床に座っているサトル君の肩をポンって叩いた。
『奈央。』
聖人があたしに目で合図。
なるほど。
ミズホさん。
やっぱり、
サトル君のコト‥‥‥。
なんだか、こんな感じで終始ドタバタしてしまった、
あたし達のクリスマスパーティーだったけれど、
ミズホさんとサトル君にとって、
中学校生活最後のクリスマスパーティーは、
2人にとって、とても楽しい思い出になってくれたんじゃないかって思う。
勿論、聖人‥‥あたし達にとってもね。
ピンポーン。
『ただいまぁ〜。』
その時、母の声と共に、
絶妙なタイミングで玄関のチャイムが鳴った。