奈央と出会えたから。<178>

麻呂  2008-07-09投稿
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『サトル君!!』


キッチンからその様子に気付いたあたしは、思わず叫んだ。


『おい。大丈夫か?!サトル?!奈央。水持って来い!!』


一番近くにいた聖人が、サトル君の側に駆け寄る。



『サトル!!死んじゃいやあ〜〜!!』


ミズホさんが半ベソをかいている。



『しっ。大丈夫だから。』


聖人はサトル君の背後に回り、様子を伺っている。





『ゲホッ‥ゲホッ‥‥‥み、水‥‥!!』


サトル君が水をくれと聖人に訴える。



『ほらよ、水。全く。驚かせんなよな。』


フーッと聖人が溜め息をついた。





『でもよ、この寿司うめぇよな。』



サトル君のこの一言に、あたし達3人は、あっけにとられてしまった。



『も‥‥う。ビックリさせないでよね。』


ふぅっと涙目になってるミズホさんが、フローリングの床に座っているサトル君の肩をポンって叩いた。





『奈央。』



聖人があたしに目で合図。



なるほど。



ミズホさん。



やっぱり、



サトル君のコト‥‥‥。





なんだか、こんな感じで終始ドタバタしてしまった、



あたし達のクリスマスパーティーだったけれど、



ミズホさんとサトル君にとって、



中学校生活最後のクリスマスパーティーは、



2人にとって、とても楽しい思い出になってくれたんじゃないかって思う。



勿論、聖人‥‥あたし達にとってもね。




ピンポーン。



『ただいまぁ〜。』


その時、母の声と共に、



絶妙なタイミングで玄関のチャイムが鳴った。

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