「あのぉ・・・、これに何か?」
「あ・・・、これは何処で?」
「あぁ・・・うーんと。貰ったんです」
「は?」
啓吾はキョトンとして言う。
「男の人から貰ったんです。『これに願いを言えば願いが叶う』って」
「・・・」
「あ、名前言ってませんでしたよね」
「あ・・・?」
「私は、沙羅(さら)って言います」
「俺は、啓吾だ。こっちは怜」
「そうですか」
沙羅はニコッと笑いながら言う。
「沙羅さん・・・、それを私達に渡してください」
「え?」
「それに願いを言ったら、死んじゃうんですよ」
怜は真剣な顔で言う。
「それをつかって、もぅ何人もの人が死んでるんだ」
「・・・でも・・・」
沙羅は静かに言う。
「でも、渡せません!」
「えっ・・・」
「何でだよ?あんたは死にたいのか?!」
「違います・・・でも・・・」
「死んでまで、そんなに叶えたいんですか」
「もぅいいです!出てってください!」
と、沙羅は家から出て行った。
「・・・いいすぎちゃった・・・」
「そぉだな・・・」
「ゴホン・・・ゴホン・・・」
家の奥から音が聞こえる。
「ん・・・?何の音だ?」
2人は奥の部屋に向かう。そして、ドアを開けた。