走った…
どんっ!!
誰かとぶつかった…
「わりぃな…済まん済まん」
ぶつかった相手が謝ってきた。
僕は顔を上げた
…
何だ?…こいつ…
人間離れした身長と、妙な仮面を被った顔、妖怪のような腕…恐らく声の質からして男。
不思議そうな顔をした僕に気付いたのか男が喋り始めた
「あっ、私は…」
「人間ですよね?」
自分でも失礼なことを聞いたと思った。いくらなんでもそんな質問はしない
「えっ。いや、まあ…そうだよ。人間ではなく、悪魔だ…」
「アクマ?…」
そんな存在をこの僕が信じるわけがない。人間ですよねと質問したにもかかわらず、勝手な解釈をする。この人はイカれた人だと。
「すみません。失礼します…。」
僕はこの場を立ち去った。この男の存在が全てを変えるとは知らずに