私達が帰ると、二人はすでに起きていて、テレビを見ながら何かを話していた。
私達が部屋に入ると、二人はわざと話題を変えたようだった。
「夏希くん、ビール持ってこようか?」
「コーヒーの方がいいんやけどなぁ」
涼平さんもコーヒーがいいって…
コーヒーを煎れながら私は香緒里に、
「何の話、してるんやろ?」
と聞いた。
「あの話のやめ方は、スケベな話やな」
「そうなんだ…」
「きっと真愛と寝た時の話やで、たぶん…」
「そんな話を…」
私はあの時を思い出して、真っ赤になった。
「男はみんな根がスケベやから、そのての話すぐするんよ。そんなんで怒ってたらあかんで」
「うん…」
「でも真愛の前で言われて、不快に思ったらちゃんとやめてって言わんと、男はこの娘はそういうの大丈夫やと思って、どんどんエスカレートするからちゃんと言わんとあかんで。仲間に嫌われたくないからやめとく、ゆうのはあかんのやで」 「うん…」
男の人をよく知っている香緒里の言葉は、私には千斤の重みがあった。