恋、二度(ふたたび) 104

よしゆき  2008-07-09投稿
閲覧数[136] 良い投票[0] 悪い投票[0]

十時を過ぎて、涼平さんと香緒里は帰っていった。
「なんか急に静かになったね」
私は食器を洗いながら夏希くんに話しかけた。
「ほんまあの二人は、嵐みたいやもんな」 テーブルに肘をついて両手で顎を支えた姿勢で、夏希くんが私を見つめながら応えた。 「どうしたのぼう〜っとして?」
昨日からあまり寝てないから、疲れたのかな…
「真愛…寂しくないか?」
「夏希くんがいるから寂しくないよ」
「いやそうじゃなくて…」
「…?」
「独りでここにいて…」
「もうすぐ七年だから、慣れちゃった…」 「そっか…」
夏希くんは何か言いたそうに、私を見つめ続けていた。

洗い物が終わって、私は夏希くんの横に座って、テレビをつけた。リモコンでチャンネルを変えながら見たい番組を探していた。
夏希くんは私を抱き寄せて、頭を撫でながら、
「真愛の料理美味しかったなぁ…着物の着付といい料理といい、何処で覚えたんや…」 「着付や料理だけと違うんよ…お茶もお華も一通り教えてもらったの…小学生の時に…」
「誰に…」
「お祖母ちゃん…私が中学一年の時に死んじゃったけどね…」
「…」

i-mobile
i-mobile

投票

良い投票 悪い投票

感想投稿



感想


「 よしゆき 」さんの小説

もっと見る

恋愛の新着小説

もっと見る

[PR]


▲ページトップ