DEAR YOU

YUNA.  2008-07-10投稿
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一章・夢
 私には、リュウという彼氏がいた。
 髪は黒で、肌はどちらかといえば色黒で…。でも、不良では無かった。
 性格はどこにでもいるような性格で、ルックスは中の上。
 そんな彼と私の物語。。。



「頑張れ〜!」
 体育祭。
 高校生の応援席で、中学二年生の私は、そう叫んだ。
 所々から、
「何だぁ?あの中学生」
とか言う声が聞こえるけど、気にしなかった。


 しばらくして、リュウが応援席に帰って来た。
「よ!…って、何でお前がここいるん?」
「応援してたんだからねっ」
 私は余分にデスチャーをする。
「そうなん?ありがとさん♪」
 私の頬は赤くなる。
「リュウ〜、そいつ誰だよー」
 向こうから、スポーツ系の男が来る。
「俺の彼女♪」
 私は肩を寄せられた。
「そいつ中学生じゃん」
「年齢とか関係ないやろ」
 二人の会話は長々と続いた。
「…今の人は?」
「長野 ユウキ」
 彼の名は校内で、リレー等の選手で有名だった。
 私は自分の種目が次だからと、自分の応援席へと帰った。


『中学生種目。演技』
 アナウンスの声と号令がかかり、私達は広いグラウンドに広がる。
…リュウ、見てるかな。
 私は高校生の応援席に目をやった。
「……………!?」
 目に飛び込んできたのは、知らない女の先輩と、リュウが話している姿。
 ただの女友達だといいけど…。
 私はその事で頭がいっぱいになって、演技もちゃんと出来なかった。


―演技が終わると、私は自分の応援席に座り、お茶を一杯、口にした。
「仁〜奈♪」
 友達のナギサだ。
「さっきの演技の時、いつもより元気無かったよねぇ?」
 心配そうな表情を浮かべるナギサ。
「別に?暑かったからやる気がね…」
 そんなの、言い訳に過ぎないんだけど。


 私達の演技の次が終わった時。
 携帯が震えた。
 私は一度トイレまで走って、携帯を開く。
「もしもし?」
『あ、仁奈?』
 リュウ…だ。
 私は怒っている事をアピールしようと、声のトーンを一つ下げた。
「何ですかぁ?」
『怒っとる?』
「うん。浮気者が」
『さっきの先輩はな、単なる友達やねん』
 友達…。
「本当に?」
『命賭けたる』
「じゃあ、信じる」
 私は携帯を閉じ、また応援席まで戻った。

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