良子…二股の恋?

ぐうりんぼ  2008-07-10投稿
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夜…

良子は、フレンドリーの事務所に来ていた。

実は、会報を作製する編集スタッフが2人も休んでいる為、助っ人として来てもらったのだ。

作業が一段落し、ロビーの自販機コーナーで休憩していた良子は偶然にも、森山とバッタリ!

実は昼間、私・雅美が由美の事で森山に電話を入れていた。

「由美が浮気!?」

驚く森山。だけど…、

どうも信じる様子では無い。そこで私は…

「証拠品を持って来るから今夜、フレンドリーの事務所に顔出して」
と言っていたのだった。

久し振りの顔合わせで良子も森山も互いにピリピリした表情。

目も合わせようとはせず、一言も会話が無い。

私は少し離れた場所から2人の様子を見ていた。

喧嘩…、しないよね?

ハラハラ気分である。

しばらくして…、森山の方から切り出した。

「元気…そうだな?」

「うん…、まあね」

見たところ、良子は落ち着きがないような印象を受ける。

内心、ドキドキな気分なのかもしれない。

「あの時の事…、今でも怒ってるだろう?」

「全然…怒ってなんかいない」

「ホントの事を言ってもイイんだぜ。
今でも、ショックを受けている…とかさ」

「気になるの?」

「ああ、気になる」

「そう。でも、大丈夫よ。本当に何も気にしていないから」

「なら、安心したよ。
新しい…彼氏は出来たのかな?」

「まだ」

「早く、出来るとイイよね?」

「私は今、恋愛よりも先ず…自分自身を見つめ直す事を考えているから」

「見つめ直す?」

「今までずっと…、自己中心的でワガママだった…て、最近思うようになったの。
私のせいで、交際を全て駄目にしてしまったし。何も変わらない自分でいたら一生、イイ恋には巡り合えない。
だから…反省しなきゃあ…ってつくづく感じた」

「へぇ、そうか」

森山や私にとっては、初めて聞く良子の反省言葉である。

(良子、変わったな)

私はそう確信した。

森山もそう、思っているに違いない。


つづく



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