『奈央‥‥。手出して。』
聖人は、あたしに優しくそう呟いた。
『なぁに???聖人。』
あたしは素直に手を差し出した。
『クリスマスプレゼント。』
次の瞬間、あたしの手の中には赤い包装紙で可愛くラッピングされた小さな箱が乗っていた。
『嬉しい!!ありがとう聖人。開けてみていい?!』
あたしはその小さな小箱のラッピングを綺麗に剥がした。
小さな小箱の中に入っていた物は――
『わぁ‥お洒落なペンダント。』
『俺とペアだぜ。』
それは、シルバー製でペアのクロスのペンダントの片方だった。
『こうやって2つを重ねると‥‥。』
聖人は、自分の首にしていた物と、それを重ね合わせた。
すると、2つのクロスは重なり合うコトによって1つのクロスに――
『どう?!気に入ってくれた?!』
『うん。嬉しい。ありがとう聖人。』
それは決して高価な物ではなかったけれど、
あたしにとっては、プラチナよりも、ゴールドよりも、どんな高価な宝石よりも、
何よりも一番嬉しかった。
『それと、もう一つ。』
聖人が首を傾け、あたしにキスをした。
甘い甘い、キスのプレゼント。
聖人と付き合い始めてから、
数えきれない位にいっぱいいっぱいしたキス。
キスをしているトキ、
聖人か何か呟いた様な気がした――
ナオガホシイ――
しんしんと音を立てて降り続く粉雪達が2人の間をすり抜けて、
次々と舞い降りて来る――
雪明かりに照らされた2人は――
しばらくそのまま抱き合っていたんだ――