日曜日。練習試合だ。結構、応援に来ている。
「良太く〜ん、ガンバって」
キャーキャーと良太を応援する声援が聞こえる。やっぱり良太はモテるなと思いつつ、僕は気合いを入れる。1年生では僕と良太だけがメンバーに入っていた。
「がんばろうぜ、直」
「うん」
ビィー。ホイッスルがなる。僕のポジションはFWだ。ボールが来る。
「上田君、頑張って」
なんと森山が応援に来ていた。僕は良いところを見せようと張り切った。ドリブルで突破しようとかわすが止められる。何度かパスをもらうが、やはり止められる。僕は焦った。相手にゴールを決められた。今度は相手をかわす。シュート!ポストに当たって跳ね返ったところを、良太がシュート!ゴール!! 一気に盛り上がる。祝福に行くが、素直に喜べない。前半は結局1対1で終了。ハーフタイムが終わり、グランドに出る。良太が声をかけてくる。
「俺がパスを絶対出す肩の力を抜け。分かったな。」「うん」
僕は冷静になった。一進一退の状態が続く。ロスタイムに入る。このまま同点で終わると、誰もが思った。その時、良太からパスが来た。オーバー気味だが、僕へのパスだ。僕は走った。得意の足を生かし、相手を置き去りにした。ゴールキーパーを抜き、シュート! ゴール!!! みんなからの祝福がうれしい。ビィー。勝った。帰り道、良太が
「今日は大活躍だったな。俺は満点」
「僕は」
「直は70点」
「ええ〜厳しい」
「直は森山が来てたから、良い格好見せようとしていたからな。無理に突破してただろ?」
「そんなことないよ」
僕は真っ赤になった。
「ま、いいさ。俺のパスはちゃんと受けたからな」
「うん、最高のパスだった」
「だろ?俺は有言実行の男だからな。次もがんばろうぜ、直」
僕は心の中で反省していた。良太のパスがなければ、シュートは決められなかったからだ。もっともっと練習しよう。