『……くそっ…』
上空からレンを探していた神竜は、木が邪魔でレンが見つけられないことにイラつきを感じていた。
『…しょうがない…』
これ以上探しても無駄だと悟った神竜は、直接森に入り、レンを探すことにした。しかし、神竜の体の大きさでは、どうやっても森には入れない。入ったとしても、木がへし折れて終わりだ。そこで、神竜は自身の体を変化させることにした。
『……流変【人】』
神竜の体が、言葉と共に人間の形へと変化した。髪は銀色で、肩まで伸びている。顔つきは、若々しく、レンとそっくりだ。瞳の色も、銀狼の時からそうだが、レンと全く同じである。服装は、足首まで続いている貫頭衣で、表面に青い鱗が張り巡らしてあり、金や銀の飾りが少し付いている。足は、裸足である。
神竜は、その姿で森に入って行き、物音と気配を頼りに、高速でレンを発見した。
｢…おい…レン…何してんだ…｣
竜とは思えないほどの綺麗な声で、神竜はレンに言った。何故かというと、目の前でレンが、迷子だというのにも関わらず、茂みの上で昼寝をしているのだ。
｢…ふわぁ〜〜よく寝た…｣
｢…貴様と言う奴は……！｣
｢……あんた誰？｣
｢…お前…真面目に殺すぞ？｣
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