「店長に紹介するのを忘れてました、小野真愛さんです」
「店長の和田と言います。これからもご贔屓にお願い致します」 「小野真愛です…こちらこそ、よろしくお願いします…」
二杯目は夏希くんがチャイナ・ブルーを私はテキーラ・サンライズを注文した。
飲みながら、夏希くんが不思議そうに言った。
「真愛、店長にも、普通に話してるやん。怖くないんか?」
「うん…なんか店長夏希くんと同じにおいがする…」
「におい…?」
「店長…私の男嫌いが分かっているのかな…夏希くんと話してる時のような…同じ気持ちになるの…」
「まさか…店長に恋したりして…」
「分からないよぉ…店長は渋くてかっこいいから…」
「嘘だろ…」
「どうかな…?」
「だめ!絶対だめ!真愛は僕だけの真愛だから…誰にも渡さない!」
夏希くんをからかいすぎたけど…
私の事をそこまで… 分かってたけど…
「嘘だよ…冗談だよ…私も夏希くんがいないと…夏希くんじゃないと…そんなに悲しまないで…ごめんなさい…」
「ほんとに…」
「うん…」
もう夏希くんをからかうのは控える…
だって…こんなにわたしの事を…
ごめんなさい…