「店長と違和感なく話せるのは、もう二十五年以上もこの仕事しているから、年の功っていうのもあるんだけど…」
「大友さん失礼ですよ。経験豊富と言って欲しいなあ」
私達の話を聞いていた店長が笑いながら、他の客から注文を受けたカクテル用のリキュールを取り出していた。
「そう、経験豊富だから…」
私達も笑ってしまった…
「だから、何回か話し掛けたら、その人がどういう人なのか大体わかるんだって」
「店長さんってすごいんだ…私の事はどう思ったんだろう…?」 「小野様は、正直難しかったですね」
店長は作り終わったカクテルを従業員の一人にテーブル席に持たしてから、私達の方にきて言った。
「小野さんか、真愛さんで良いですよ…それにもっと砕けて欲しいです…」
「では小野さんにさせてもらいます」
「どういう風に難しかったの?」
夏希くんも気になっているみたい…
「はい、小野さんは前回来られた時、かなり周りのお客様に怯えていました…」
店長は少し考えるように、言葉を切った…