?崖淵斜陽館?

亜樹  2006-05-25投稿
閲覧数[561] 良い投票[0] 悪い投票[0]

ここは、魔物が住まう崖淵斜陽館と申します。
本日のお客様は『公園』でございます。
今宵は、いかなる展開に成るのでございましょうか。


雨あがりの公園で、1人の若い女性が傘を持って立って居る。

もう、1年に成るだろうか。
毎日欠かさずに、午後三時から、夕方五時迄公園に来ている。

二ヶ月前位から、子犬が、彼女に、なつく様に成っていた。

彼女は、毎日同じ事を子犬に話かけるのだった。
「ずっと前に大好きだった、彼氏に捨てられたの、貴方も捨てられたの。」

子犬は可愛く、尻尾をふるだけ。

「在る占い師さんがね、毎日この公園に来ると、素敵な恋に巡り逢えるって、言われたんだけど、随分に成るわ。」

じゃれつく、子犬を撫でながら、ある言葉を彼女は思い出したのだった。

「あら、確か占い師さん…何か、言ってたわね」

暫く思い出すと、確かに《動物が可愛いと思ったら、アクトレイザァと呪文を》

彼女は、子犬に
「アクトレイザァー」と呪文を叫んだ。

不思議な事は何も起らない。

「やっばり無理だったわ」
と公園を後にした彼女の姿は、次第に、犬に変化して行くではないか。

振り向くと、さっき迄じゃれていた子犬が、王子様に見えた。

二匹の子犬は、じゃれあいながら、公園に戻って見えなく成った。


如何でございましたでしょうか。
次の、お客様は、貴方かも知れません。


i-mobile
i-mobile

投票

良い投票 悪い投票

感想投稿



感想


「 亜樹 」さんの小説

もっと見る

SFの新着小説

もっと見る

[PR]


▲ページトップ