「いや殺すって言われてもな〜〜ねぇ?あんた誰よマジで」
「…私は…そうだな………シルバー・クサリイン……シル…とでも呼んでくれ」
神竜には、どうしても偽名を使ってまでも、人間の姿の自分が銀狼・神竜だということを、レンに隠さなければならない理由があった。
「ふ〜ん…変な名前」
「……そ…そんなことはどうでもいい!早くこの森を抜けるぞ!」
シルは、ネーミングセンスが悪い(事実、そう言った訳ではないが)とレンに言われ、自分のプライドを傷つけられたようだ。
「……なんでシルが仕切るんだよ」
「え〜〜……私はな、貴様の言葉でいう銀狼と知り合いでな……お前と共にするように頼まれているのだ」
「ふ〜〜ん……で、銀狼は?」
「…用があるとか言ってどっか行った」
「無責任だな〜あいつも」
「ていうか早くノール村に行くぞ!雪山に用があるんだろ!?」
「おぉう…そうだったな…よし!行くぞ!」
「おう!」
「……で、どうやって行くの?」
「ぐはぁ!」
シルがこけた。
「潔く言っといて…何言ってんだお前は……」
「だって俺迷子なんだもん♪」
「楽しそうに言うな!………いいか……今お前の向いている方向から180度回転して、真っ直ぐだ」