良子…二股の恋?

ぐうりんぼ  2008-07-12投稿
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私は詳しい事情を聞こうと学校で由美を探したけれど、見つからない。何日も待っても姿を見せなかった。

学校が長い夏休みに入って、私は佳奈さんに電話で尋ねてみた。

佳奈さんが別の友人から聞いた話しでは…、

由美はココしばらく学校には来ていなかったと言う。

休学の直接の理由は分からないけど…、妊娠していると言う話しもチラホラ聞かれるらしい。

私は森山を再度、事務所に呼んで佳奈さんからの情報を教えた。

予想以上のとんでもない事態に、森山はこらえきれない憤りを感じた。

そんな森山に私は気になる質問をしてみた。

「良子の事、今はどう…思ってる?」

「どう思ってるかって?」

「由美は、浮気してる。しかも同棲していて、妊婦の可能性が大。
なあーんかサァ、由美は純情だと思っていたけどォ…良子の方がまだ、マシな方だと思うのよね。
森山もそう思わない?」

「そうだな、悪くないんじゃねえの?
自分自身を見つめ直すって言うし、凄く魅力的になった気がする」

「…」
隣りの部屋から盗み聞きしている良子が思わず顔を赤らめた。

私は質問を続けた。

「じゃあ…良子の事、好き?」

「え!?」

戸惑う拓也。

良子も!


「良子の事、好きかって聞いてるの」

苦笑する拓也。


「俺を、からかっているのかよ?」

私はムッとなった。

「私はマジだよ。
ちゃんと答えて」

「キライじゃねえけど」

正直な答えに、私はニッコリと微笑んだ。

「だったら森山、良子を恋人にしようよ」

「何でアイツと…」

私は拓也をジッと見つめた。

「良子はね、今でも…森山に対する気持ちは変わらないんだって」

「誰が、そんな事を?」

「美月さんが」

「あの人が…」

「もう思い切ってサァ、良子を恋人にすれば?」

「アイツと別れろってか?」

「私が森山なら、そうするけどね。あんな浮気女とは、サッサと見切りつけちゃう」

「冗談じゃないぜ」

「出来ないの?」

「出来ねえよ」

「どうして?」

「俺は、由美を愛しているからサ。」

「他の男に取られているのに?」

「同棲も妊娠も、まだ…本当がどうか分かんねえだろう?」

「呆れた! 信用していないんだ?」

「俺は、どんな事があっても由美を信じる。
アイツは絶対、俺を裏切らない」


つづく

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