『ねぇ‥聖人‥‥。』
『ん‥?』
『実はあたしもプレゼント用意してるんだ。』
『マジで?!』
聖人があたしの顔を覗き込む。
『はいっっ!!これ。あたしからのプレゼントだよっっ!!』
家を出るトキ、こっそり紙袋に隠して持って来たんだ。
ちゃんと自分でクリスマス仕様のラッピングにしたんだよ。
不器用ながらに――
頑張ったんだから――
『奈央からのプレゼント?!本当に?!めっちゃ嬉しいな!!』
聖人は、凄く嬉しそうに、そのラッピングをほどいた。
中から取り出したそれを、聖人はじ〜っと見つめた。
『これって、ハラマキ?!だよな?!』
全体がピンク色で、中心に真っ赤なハートが編み込まれている。
『そうだよ。聖人。よく分かったね。
あたしが編んだの。
聖人は体が弱いから‥‥。体冷やさないように!!』
『これってやっぱ、短ランからはみ出すよな?!』
その自分の姿を想像してか、
聖人は、ぷっと吹き出した。
『あ‥服の中にしてれば分かんないかと思ったんだけど。』
え〜ん。もしかして、ハラマキと言うのは失敗だったかも?!
どうしよう。
クリスマスプレゼントにハラマキなんて。
絶対、変なヤツって思われてるよね。
『ありがと。』
聖人は、そう言って、またあたしをギュッと抱き締めてくれたんだ。
さっきよりもずっと強く――
『奈央。見てみ。雪の結晶って肉眼で見えるんだぜ。』
あたしのコートの袖口に舞い降りた粉雪が、
舞い降りては消え――
また舞い降りては消えて行く――
『神秘的だよな。雪の結晶のカタチって。』
『うん。』
しんしんしんしんしんしんしんしん――
雪が――
降り積もる――
『奈央のハラマキ‥‥暖けぇ。』
『あはは。いつの間に?!もうしてくれてるんだ?!』
嬉しかったんだ――
『ふっ‥ふぇっっ‥‥‥‥。』
『お、おい?!どした?!何で泣くのよ?!』
ただそれだけ――
来年は2人きりで過ごせたらいいな――
大好きなあなたと――