奈央と出会えたから。<182>

麻呂  2008-07-13投稿
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『ねぇ‥聖人‥‥。』



『ん‥?』



『実はあたしもプレゼント用意してるんだ。』



『マジで?!』



聖人があたしの顔を覗き込む。



『はいっっ!!これ。あたしからのプレゼントだよっっ!!』


家を出るトキ、こっそり紙袋に隠して持って来たんだ。



ちゃんと自分でクリスマス仕様のラッピングにしたんだよ。


不器用ながらに――


頑張ったんだから――



『奈央からのプレゼント?!本当に?!めっちゃ嬉しいな!!』


聖人は、凄く嬉しそうに、そのラッピングをほどいた。



中から取り出したそれを、聖人はじ〜っと見つめた。





『これって、ハラマキ?!だよな?!』


全体がピンク色で、中心に真っ赤なハートが編み込まれている。



『そうだよ。聖人。よく分かったね。

あたしが編んだの。
聖人は体が弱いから‥‥。体冷やさないように!!』



『これってやっぱ、短ランからはみ出すよな?!』



その自分の姿を想像してか、


聖人は、ぷっと吹き出した。





『あ‥服の中にしてれば分かんないかと思ったんだけど。』


え〜ん。もしかして、ハラマキと言うのは失敗だったかも?!



どうしよう。



クリスマスプレゼントにハラマキなんて。



絶対、変なヤツって思われてるよね。





『ありがと。』



聖人は、そう言って、またあたしをギュッと抱き締めてくれたんだ。



さっきよりもずっと強く――





『奈央。見てみ。雪の結晶って肉眼で見えるんだぜ。』



あたしのコートの袖口に舞い降りた粉雪が、



舞い降りては消え――



また舞い降りては消えて行く――





『神秘的だよな。雪の結晶のカタチって。』



『うん。』





しんしんしんしんしんしんしんしん――


雪が――



降り積もる――





『奈央のハラマキ‥‥暖けぇ。』



『あはは。いつの間に?!もうしてくれてるんだ?!』





嬉しかったんだ――


『ふっ‥ふぇっっ‥‥‥‥。』



『お、おい?!どした?!何で泣くのよ?!』



ただそれだけ――





来年は2人きりで過ごせたらいいな――


大好きなあなたと――

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