目が覚めると 山中 敦は 知らない場所にいた。
(いったい…ここは?)
すると扉が開いた。
敦は目を見張った。
失踪したはずの女がいる。暗くて 見えづらいが、あの目 鼻、
明美に違いない。
「明美、明美なのか?」
……
彼女は 鼻で笑うと
「あなた 山中さんよね、不倫は楽しい?人を落とし入れるの楽しい?」
……
「すまなかったと思ってる、君が辛くなって、姿を消した後、捜したんだ。」
……
「山中さん 頼みがあるの。あなたが……した事、私知ってるのよ。だから 言われたくなかったら お願い。」
明美が俺の事を山中さんと呼ぶのが不自然な気がしたが、ばらされては困る。
「分かった。聞く。頼みってのは何だ」