誰かが僕を評価した
僕のことをほめてくれた
認めてくれたのだ
僕の存在価値を
他の誰でもない僕だけにスポットライトを当ててくれた
驚くほど多くの人に祝福された気になった
にぎわっている人々の話題は僕のことで持ちきりだ
これほど多くの人が僕を認めてくれたことがあっただろうか
そんな景色の中心にいるのは他ならぬ僕だ
僕に金色に光る勲章が手渡された
にぎわっていた人々の視線はみな勲章に注がれた
あれほどたくさんの人が僕を見ていたのに
他の何でもない勲章だけにスポットライトを当てていた
驚くほど多くの人に祝福された気になってただけなのか
そんな景色の中心に僕はいなかった
僕の存在価値はどこへ行ったのだろう
この勲章はいったい何なのだろう
本当に価値のあるのは僕と勲章のどちらなのだろう
僕は勲章を燃やした
灰色の勲章を握りつぶした僕にはほんのわずかな価値が残った