都市アーバイン。
すでに大半のひとが避難していた。
「この橋が戦闘の拠点となるだろう」
アーバインの防衛武芸者の隊長のユーリが説明をした。
「問題はどの部隊がここを担当するかですね」
とヨハンが言った。
「会議ながいわねぇー」
「そうですね」
今、アーバインでは隊長達の作戦会議が行われている。ただの武芸者のレーヴェ達は外で待つことになった。
「すずしい」
風でセツナの紅髪がなびいていた。
「セツナさんはやっぱり精霊隊で戦うんですか?」
レーヴェがきいた。
「ん、そのつもり」
セツナは精霊使いで、戦うすべは風の精霊フリードしかもっていない。
「しっかし、こんな大きな都市が襲われようとしているなんて、こっちにしてはいい迷惑よね」
王都にいくには先にいる魔物を倒さなければならない。しかも、すごい量だ。しかし、魔物の大移動をしらずに進んでいたらどうなっていたか。
「今夜は長くなりそうですね」
「そうね」
魔物と戦うのに、どことなく緊張感がない二人がとても凄いとセツナは思った。
武芸者が集められた場所に各部隊の隊長達が戻ってきた。
辺りは一瞬で緊張の渦につつまれた。