‡運命の王子様?‡「アリスタ…。」
誰かが、私を呼んでいる?
「アリスタ!」
私は我に帰った。
「あなた誰?」
「俺は、キリア。アリスタ姫をさらいに来た。」
私は、呆気にとられた。一体、ここは何処だろうか?
回りは、金の家具や、素晴らしい刺繍が入ったカーテンレースなどがあった。
「ここは、君の国から遠い国のラビスタの国だ。そして俺は、この国の王子だ。」
「…、はぁ?」
私は、意味が分からなかった。
王子が他の姫を、誘拐しますか?
ありえない…
「ちょ、嘘つかないでよ!」
「じゃ、これ見て。」キリアは、ある指輪を見せた。
これは、王後継者の明かしの指輪!
「嘘!じゃあ、本当の王子様!?」
私は、腰が抜けそうになった。
「頼む!俺と逃げてくれ!」
「…へ?…。」
突然の事で、気が動転した。
「俺も、無理矢理結婚させられちまうんだ!」
「そんなの、私の知った事じゃないわ!」私は、ため息をついた。
「実際、君だって結婚を嫌がってたじゃないか!」
「うっ…。」
ここまでくると、私もお手上げだ。
「わかった、でも、恋愛感情は捨ててね。」
「あたり前だ。」
二人は、苦笑いした。こうして、前代未聞の姫と王子の冒険物語が始まった。
続く…