「おいっ!翔也!」
「翔也君死なないで!」
──…あれ?
何で俺血だらけなんだ?
そっか、さっき
車が俺の前に突っ込んで……
数分前、近くの十字路で
交通事故が起きた。
その被害者が俺、
雪村翔也だ。
みんな、俺を心配そうに
見ている。
──俺は死ぬのか?
そんな事を考えているうちに
目の前は真っ暗になった…
「…也!……!」
──何か聞こえる。
「お………!!」
──…
「あ…??」
「やった!起きたぞ!」
「良かったぁ」
「俺………」
「軽自動車がぶつかって
きたんだよ」
「ああ、覚えてる…ッッ!」
「まだ退院するまで一週間
はかかるんだって」
「まじかよ…」
「ははは!まぁ無事で良かっ
た」
「じゃあ私はちょっと用事
あるから先帰るね。」
「あっ、俺も午後からオヤ
ジの手伝い行くんだった!
翔也、お大事にな!」
「ああ、わかった」
ガチャ
「ふぅ…」
今のヤツらは斉藤未来と小坂
寿久。
俺の親友だ。
──あと一週間、我慢しな
きゃなぁ…
だが、俺はこの後に起こる
悲劇をまだ知らない…。