「由美から連絡が私に知らせてくれない?」
「ああ、イイよ」
こう言って、森山は帰って行った。
私は大きくため息。
後ろから顔を見せた良子に声をかける。
「話しを聞いたでしょう? 森山も良子に好意を持っているけど、由美に対する気持ちの方が強いって事」
「仕方がないわよ。
由美は私が拓也と出会う前から、拓也の恋人だったんだから」
良子はそう言いながら近くの椅子に腰掛けた。
「やっぱり、アイツの事忘れるの?」
「拓也の気持ちが変わらないのなら…」
「私としては、良子の方がイイと思うんだけどなァ…」
「決めるのは、拓也自身よ。雅美が強く言い聞かせても、彼の気持ちが変わらないんじゃあ…どうしようとも無いわね」
「だからって良子は、それでイイって、思ってるワケ?」
「思ってはいないけど」
「奪っちゃえば?
良子は由美から森山を奪おうとしたじゃない?」
「でも結果的に彼に嫌われたんだから」
「あの時はそうだったかもしれないけどサァ、今は森山が由美から嫌われている状況だよ。
今がチャンスかもよ」
「もう少し、様子を見てみないと…」
良子は高鳴る気持ちを押さえながら、冷静になって森山の様子を見ている。
良子…二股の恋 終
次項から、いよいよラストに向けて大詰めに!
『良子…ファイナル』
よろしく!